政治的行動

 

4.生物の多様性

 

4.0  健全な生態系は人間生活に必要不可欠である。しかし私たちは、自然と社会との相互関係を忘れてしまっているように思える。 種の絶滅率は、人類の出現以前の時代に比べ100倍から1000倍に増加している。比較的手つかずのまま残されている地球上の原生林は、全体の20%にすぎない。生存する魚類の80%は、乱獲の危機にさらされている。外来種の植物や動物、疫病の侵入が急速に増加している。動植物の生息地の破壊および種の絶滅が、工業や農業の発展によって引き起こされ、それはまた気候変動や地球規模の不公正さ(inequity)、先住民の文化や生活の破壊を激化させている。アグリビジネスにより促進され、遺伝子組み換えや、自然の登録商標化により加速的に増えている単一栽培農業(モノカルチャー)は、作物や家畜種の多様性に脅威を与えており、人々の疾病に対する抵抗力の低下(vulnerability)を急速に拡大させている。
 

グリーンズのメンバーは、


4.1  環境を破壊する農業および工業開発に強く反対するとともに、土着の動植物をその自然生息地において、さらに可能なかぎり広範域で保護する努力を最優先で行う。


4.2  森林伐採や化石燃料の採掘、ダム建設および鉱山採掘、遺伝子工学、単一栽培農業などを含めた、環境破壊活動への助成を打ち切るよう働きかける。

 

4.3  エコ商品購入政策、たとえば木材のような生産品に対し、環境保護を信頼できる登録商標が記された、持続可能性に関する最も厳密な規定にもとづいた商品を購入する諸政策を促進させる。

 

4.4  被害を受けた先住民あるいは地域コミュニティとの合意にもとづく、「自然保護債務」スワップ (‘debt for nature’ swaps) の考え方を支持する。

 

4.5  劣化した自然環境の修復を促進させるとともに、過去および現在の世界中の軍事および産業地帯における有害廃棄物汚染地の除染を促す。

 

4.6  可能なところでは地域産品に優先権を与えるという方針に沿って、世界中の商品輸送量を削減することが、化石燃料消費および温室効果ガスの削減とならんで、「外来侵入種 (bio-invasions)」を減少させる付加的利益をもたらすことを知る。


4.7  あらゆるレベルの教育において、地球環境学のカリキュラムの奨励に努める。


4.8  環境破壊および生物多様性の損失に限定した国際司法裁判所を創設し、そこで企業・国家・個人に対する訴訟事件が審理できるよう働きかける。

 

4.9     生命の登録商標化および商品化の承認を拒否する。