諸原則

 

グローバル・グリーンズの諸政策は、以下の諸原則にもとづいて構成される。
 

 

エコロジカルな知恵

 

私たちは、人間が自然界の一部であることを知るとともに、人間以外の種も含めた全ての生命形態がもつ固有の価値を尊重する。

私たちは、土地および土地資源の管理人である、世界中の先住民族の知恵を知る。

私たちは、人間社会が地球の生物資源に依存していることを知る。そして私たちは生態系の無傷性を維持するべきであるとともに、生物の多様性と、生物がもつ生命維持システムの回復力を保護せねばならない。
 

そのために必要なことは、

 

   ・ 私たちが、限られた地球の生態系および地球資源の下に生存していることを知ること。

  ・ 私たちが動植物の生命および土、水、空気や日光といった自然の諸要素により維持される

   生命そのものを保護すること。

  ・ 知識が制約されている場所では、私たちは、現在および将来世代のために、地球資源の豊かさを

   引き続き守るため、慎重な手段を選択すること。
 

 

社会的公正
 

私たちはこう主張する。すなわち社会的公正のための要件は、地域レベルでも地球レベルでも、社会資源および自然資源が公平に配分され、人間の基本必需品が無条件に供給されること、さらにはすべての市民が、個人ないし社会の発展のための十分な機会を持つべく保証されることである、と。

私たちは、環境に対する公正さなくしてはいかなる社会的公正も存在せず、社会的公正なくしてはいかなる環境に対する公正さも存在しないことを宣言する。

 

これらに必要なことは、

 

・  国内もしくは国家間において広がる富裕層と貧困層との格差をなくすような、公正な国際機関および

     恒常的な世界経済。

・    南の国から北の国へ の資源流出を調整すること、さらに貧困国の発展を妨げている、貧困国の

     債務負担の軽減。

・  倫理的、社会的、経済的、生態学上の絶対条件のひとつとしての貧困の根絶。

・  文盲の解消。

  ・  ジェンダー、民族、人種、年齢、宗教、階級、民族の出自および国家、性指向、障害、富、および

         健康状態に関係なく、全ての個人に対する平等な権利の上に構築される、ひとつの新しい市民権の

         ヴィジョン。

 

 

参加民主主義
 

私たちは、全ての市民が自分の意見を表明する自由をもち、市民の生活に影響を与える環境上の、経済的、社会的および政治的意思決定に直接参加できる民主主義体制を切望する。そこでは、権力と責任は地方および地域自治体に集中され、どうしても必要な場合にのみより上位の統治単位に委ねられる。

 

このために必要なことは、

 

  ・ あらゆる意思決定に必要な全ての重要情報へのアクセス、さらには全員参加が可能な教育への

    アクセスを通じた、個人の権利の強化(エンパワーメント)。

  ・ 参加を妨げる、富と権力の不公正さの抑制。
 

  ・ 市民の活力や自主的活動、および自治体の責任を促す体制にもとづき、その影響を受ける人々が、

    相応のレベルで直接意思決定を行うことが可能な草の根の行政機関を構築すること。

   ・ あらゆる意思決定組織に参加することを含め、青少年が政治活動のあらゆる場面に関わることを

    啓発、奨励、援助することを通じて、若者の声を反映させるための支援を強化すること。

   ・ すべての選挙で選ばれた代表者が、政治の場において、透明性、真実性、そして責任性の原則に

    従った行動をとること。

    ・ あらゆる選挙制度が透明かつ民主的であり、それが法律によって保証されること。

    ・ すべての選挙制度において、あらゆる成人が平等な一票を有すること。

    ・ すべての選挙制度が比例代表制にもとづくこと、さらにはすべての選挙は公的資金により賄われるが、

   加えて厳密な制約条件と完全な透明性の下で、法人もしくは個人献金により賄われること。

    ・ 多党制においては、すべての市民は自分自身の選択にもとづき、政党員になる権利を持つこと。

 

 

非暴力

 

私たちは、非暴力の態度表明を宣言するとともに、グローバルな安全保障の基盤として、国家間、組織内および個人間における、ひとつの平和と協同の文化をめざして努力する。安全保障は主として軍事力の強化に依存するべきではなく、協同、健全な経済および社会の発展、環境保全、さらに人権の尊重に依存すべきものであると、私たちは考える。

このために必要なことは、

 

 ・ 第一義的に、バランス・オブ・パワー(軍事抑止均衡論)にもとづく考え方に代わる、紛争の社会的・

   経済的、環境的、心理的、文化的側面に優先順位を与える、ひとつのグローバルな安全保障と

   いう包括的概念。

 ・  紛争の予防、管理、そして解決を可能にする、一つの新しいグローバルな安全保障体制。

 ・ 他文化の理解と尊重、人種差別の撤廃、自由と民主主義の促進、そして地球規模での貧困の根絶に

   よる戦争要因の除去。

 ・ 核兵器、生物・化学兵器、対人地雷、および劣化ウラン兵器の完全かつ永久使用禁止を保障する

   国際協定を含む、一般的かつ包括的軍縮の要求。

 ・ 紛争管理と平和維持のための、グローバルな組織としての国連の権限強化。

 ・ 人権を侵害しつづけている国々に対し、武器輸出に関する厳密な管理規定の要求。

 

 

持続可能性
 

私たちは、生物圏の内部では人間社会の急速な物質的発展には限られた見通ししか存在しないこと、しかも再生可能な資源の持続可能な利用および再生不可能な資源の責任ある使用を通じて、生物の多様性を維持する必要を認識する。
私たちは、持続可能性を実現するために、さらには地球上の有限な資源の範囲内で、現在および将来世代に必要物資(needs)を供給するために、たえず拡大する地球規模での消費、人口および物資の不均衡な配分を制御し、転換させねばならないと考える。

私たちは貧困が存続するかぎり、持続可能性は達成可能ではないことを認識する。

 

ここで必要なことは、

 

  ・ 地球上の資源を貧困層に公平に配分できるように、富裕層が各自の消費を抑制するようにさせること。

  ・ 過剰消費の許容限界よりも、むしろ生活の質に焦点をあてた豊かさの概念を再定義すること。

  ・ 少数者の欲求を満たすのではなく、全ての人々の必要を満たす目的で、ひとつの世界経済を創設

   すること。そこで将来世代が彼らの必需品を満たす機会を喪失させることなく、今生きている人々が、

   自分自身の必需品を満たせるようにすること。

 ・  経済的安定を保証することにより、人口増加の原因を除去すること。またすべての人が基礎教育

   および健康に与かれるようにすること。さらに男女両性が自身の生殖能力をより大幅に抑制できる

   ようにすること。

 ・  持続可能な開発の諸原則を強化するため、多国籍企業の役割と責任を再定義すること。

 ・  不透明な金融の流れを制御すると同様に、それらに対する課税制度を導入すること。

 ・  財とサービスの市場価格に、それらの生産・消費にかかる環境負荷を十分に組み入れられるように

    すること。

 ・  より大きな資源およびエネルギー効率を達成し、環境上持続可能な科学技術の開発および利用を

   実現させること。  

 ・ 価値のある充足した地域社会を創造するよう、現実的に最大限のレベルにまで地域の自立を促進

   させること。

 ・  若者文化が果たす重要な役割を認め、若者文化の内部で持続可能性の倫理を促進させること。

 
 

多様性の尊重
 


私たちは、個人はあらゆる生命ある存在に対して責任があるのだという考え方にもとづき、文化的、言語的、民族的、人種的、性的、宗教的、および精神上の多様性を尊重する。
私たちは、すべての人が差別を受けることなく自分自身の尊厳・身体的健康・精神的幸福に見合った環境を得る権利を擁護する。
私たちは、多文化社会の精神のもとに、一連の線引きを越えて、敬意ある、前向きでしかも責任ある相互関係の構築を促進する。

これらに必要なことは、

 

  ・  先住民が、土地所有権および自己決定権を含め、自らが生き延びるための社会的かつ経済的な
    基本手段を保有する権利を認める。さらに彼ら先住民たちが、一国および地球全体の共有文化遺産に
    寄与してきたことを認識すること。

  ・ 少数民族が、差別を受けることなく自らの文化、宗教や言語を発展させる権利、さらに法的、社会的、

    文化的に、民主的意思決定過程に完全参加できる権利が承認されること。

  ・  性的マイノリティを承認し尊重すること。

  ・  社会的・経済的・政治的・文化的生活の全ての面における男女間の平等。

  ・  私たちの緑のヴィジョンへの価値ある貢献策のひとつとして、若者文化への関与を重視すること。
     さらに若者たちが独自の表現の必要性や表現様式を持つことを承認すること。