政治的行動

 

8.持続可能な計画

 

 

8.0  先進工業諸国における消費は、いかなる尺度を用いても過剰であり、環境悪化の主要因となっている。新興産業諸国もまたこの消費を助長させており、環境負荷の増大に大きく一役買っている。 そこでつぎのような緑の経済(グリーン・エコノミー)への転換を行う―― つまり生態系の諸々の過程に倣い、再利用およびリサイクル原料を用いてゴミを減量し、財の消費よりも生活の質や相互関係を高める行為に重点を置くことによって――より汚染の少ない、よりよい労働環境と、より高い生活の質を伴った、新しい事業や産業を保証することが必要である。

 

グリーンズのメンバーは、

8.1  発展指標としてGDPよりも幸福度指標の適用を促進させ、物質的成長や消費には環境保護上、限界があることを認識させる。

 

8.2  開発計画により影響を受ける国々の市民は、国境を超えて、開発計画に関する意思決定に参加する権利をもつことを考慮する。

 

8.3  共有資源および/あるいは自然資源の開発により利益を得ている人々が、これらの資源の利用度に応じた、ならびに彼らが他のすべての共有資源に対して与えた損害の度合に応じた、完全時価利用料を支払うよう働きかける。

 

8.4  都市部の発展的拡大(スプロール化)による農業地域およびその自然環境への影響を抑制もしくは永久に阻止する必要があることを知る。

 

8.5  成長の限界という概念を認識し、都市郊外地域の景観の特性および生態系を保護する、適切な郊外開発計画に着手することを通じて、郊外地域の貧困の原因となっている都市化の進行を遅らせ、さらには逆転させねばならないことを知る。

 

8.6  環境面で持続可能なビジネス、住宅、輸送、廃棄物処理、公園、都市の中の森林、パブリック・スペースを設けるための地域計画を支援するとともに、世界中で地方および地域レベルで、グリーンのメンバー間での情報交換および相互支援を行うためのネットワークを確立する。

 

8.7  自動車による都心部の公害を減らすため、高速道路の無際限な延長に反対し、エネルギー効率の高い車の利用を奨励するよう働きかける。さらに土地利用計画に公共交通機関ないしは自転車、徒歩での利用形態を統合させるよう働きかける。 さらにマイカー用インフラ施設の整備よりも、大量輸送計画および資金調達を優先させ、自動車中心の開発計画を奨励する税政策を中止させるよう、働きかける。

 

8.8  社会的に責任ある経済戦略を創出し、税と公的資金を用いて富の公正な配分を行うための最大限の動機づけ(インセンティブ)を与えるよう働きかける。 さらに環境税を導入し、廃棄物や汚染を阻止する動機づけを与えるよう、働きかける。

 

8.9  企業および地域社会が、ゴミの減少、再利用、リサイクルを行い、自然の生態系に倣った「ごみゼロ経済」をめざすよう要求する。

 

8.10  それぞれの国が付加価値を生み出す経済活動を通じて、もしくは資源のリサイクルや耐久消費財、有機農業、再生可能エネルギーおよび環境保護を通じて、雇用創出機会を増やすことができるような、あらゆる政策を支持する。

8.11  信頼できる情報に基づき、消費者が積極的な選択をすることができるよう、社会的責任投資および、環境に配慮したマーケティング活動を促進させる。

8.12  伝統的で地域に根ざした知識や信仰のもつ価値を理解し、それらを計画やプロジェクトに反映させる支援を行う。